コ(ア) 同月15日,Bbが,Caの母親のCbとともに児相を訪れ,それぞれ
の子のけがについて説明した。
Bbは,?平成11年9月6日から同月11日まで本件保育施設を利用したこと,
?平成11年9月11日にBaがけがをしてそのままα市立病院へ入院となったこ
と,?同月11日午前8時30分,Baを本件保育施設に預け,午後7時ころ迎え
に行った際,寝ていたBaを抱きかかえたところ右腕がはれており,虫さされかと
思い被告乙川に確認したが分からないとの説明であったこと,?帰るときに靴を履
く際,Baがいやがり,むずがって痛いと言うので,服を脱がせたところ,腕がは
れており,被告乙川からα市立病院を紹介されて受診したこと,?当日の朝,Ba
は駅まで走っており,同児は手を動かしていたこと,?被告乙川はBaの腕のはれ
につき気付かなかったというが,気付かないのはおかしいと思うこと,?病院で,
V医師,被告乙川,Bbらで話合いがされたが,結局,骨折が起きた原因は分から
なかったこと,?被告乙川から,治療費,入院費は払いますとの話があったが,被
告乙川に心当たりがないのであれば,そのような申出をする必要はないのではない
かということ,また,現に保育費用については1週間分を除き返還されたこと,?
子供がけがをしたことについて被告乙川が気付かなかったというのはおかしいし,
契約で子供を預かっているのだから,責任を持った保育をしてほしいということを
述べた。
この時点で,Bbは,被告乙川がBaに対し暴力を振るっていたのではないかと
も思っていたものの,自分の子がだれか大人の力によってけがさせられたというこ
とを考えるだけで嫌になってしまい,同児のけがが被告乙川によって骨折させられ
たに違いないとまでは児相に強く言ってはおらず,全体の相談のニュアンスとして
は,とにかく本件保育施設を調べてほしいというものであった(証人Bb調書25,
28,29頁)。
また,Cbは,平成11年3月末から同年8月末ころまで本件保育施設を利用
したこと,最初の1か月は普通に過ぎていきCaも施設にだんだん慣れていった
が,同年7月ころ,CbがCaを本件保育施設に迎えに行くと,唇がガサガサ,お
なかがぺったんこになっている日が続いたこと,Caが家に帰ると500?のペ
ットボトルに入った飲物を一気に飲んだりするようなこともあったが,本件保育施
設から渡された連絡帳には,水分の補給量や食事の摂取量は十分なものとして記載
されていたこと,?同年8月3日午前7時15分ころ,Caを本件保育施設に預け,
午後4時30分ころにCbの母親がCaを迎えに行くと,顔に何か所も青あざがあ
ったが,本件保育施設の保育者からは青あざについては何の連絡もなかったこと,
?同日,Cbは午後6時30分ころ帰宅したが,そのとき,Caは布団の中でぐっ
たりしていたこと,Caにはあざがあり,頭に何か所も赤いはん点様の傷があっ
たため,本件保育施設に連絡して同児に何があったのか確認したところ,被告乙川
は「今日散歩に行った際,3~4歳の男の子にスコップで殴られた」と話しており,
その日病院に行ってレントゲンを撮ったところ,医師の話では,骨には異常はない
が,48時間様子を見るようにとの診断がされたこと,?その日以降,本件保育施
設に行くとCaは熱を出すようになり,本件保育施設から迎えに来てほしいとの連
絡があったこと,?お盆を過ぎたころ,夜中,Caの人差し指に血が付いていたの
で見てみると,両耳から出血していたので,翌朝α市立病院に連れていったところ,
医師から右の鼓膜が破れていると言われたこと,?病院へCaを連れていった際,
同児はとてもおびえていて,怖い経験をしたようであり,話しかけても「はい」と
蚊の鳴くような声でしか返事をしなかったこと,?以降,保護者に対する警戒心が
うかがわれるようになり,ご飯も食べない状態で今までと様子が違ってしまい,今
でも本件保育施設の前を通るとCaは嫌がること,?被告乙川に当時の様子を確認
すると「気づかなかった」とのことだったが,保育者1名で1人か2人の子供を見
ていて何も気づかなかったというのは,預かっている側の責任ではないか,自分た
ちはお金を払っているのだから,きちんと責任を持って保育してほしいということ
を話した。
Cbの方は,この面談で被告乙川がCaにけがをさせたのではないかと
強く述べていた(証人Bb調書29頁)
(イ) これに対し,児相のXは,本件保育施設については何か問題がある可能性
があるので,神奈川県から指導してもらうこと,指導経過に関してはBb,Cb両
名に連絡すること,子のことについて何か心配なことがあれば児相でも相談に応じ
ることなどを申し向けて,面接を終えた。
Xは,面接を終えて,本件保育施設では,
幼児に対する扱いがずさんであるか,極めて乱暴である可能性があり,本件保育施
設の実態がどのようになっているか非常に気になるとの感想をもった(甲21)。
(ウ) そこで,Xは,Bb及びCbとの面談内容をH課長に報告したところ,H
課長は,本件保育施設の状況から,園児のけがの原因は施設にあるのではないか,
園児のけがが多発しているのは,施設の体制が悪いのではないかと考え,Wに面談
内容を県児童福祉課に報告させることとした。
そこで,Wは,県児童福祉課のEに電話し,「本日,b児童相談所でBaちゃん
の保護者のBbさんの面談を行った。
また,Bbさんの同僚でCbさんという人が
いるが,そのCbさんの子供であるCaちゃんが同じように丙保育ルームで虐待を
受けた可能性があるとのことで,Bbさんと一緒に面談に訪れた。」との報告を行
った(甲19,20,21)。
サ同月19日,児相の所内会議で,Xから,Ba,Caの件について保護者と
の面談の結果の報告があり,Caの案件も相談案件として受理した上で,とりあえ
ず動静を見守ることとした(甲20)。
シ同月21日,県児童福祉課は,本件保育施設に対する立入調査を同月26日
に行うことを決定し,その旨本件保育施設設置責任者である被告乙川に通知した(甲
15,乙A10)。